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2016/05/18 メルマガ

デジタル動画広告の効果測定で必ず設定すべき指標とは?

ニールセン・インサイト ~メディア~
2016年5月18日発行
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ブランディング活動の中で消費者とコミュニケーションをとる際に、デジタル動画広告の活用がここ数年で活発になってきました。また、それらの広告の効果を測る上で、設定すべきKPIもさまざまな指標が出てきています。例えば、これまでのテキストやディスプレイ(静止画)広告の効果測定で使用されていた「インプレッション」に加えて、動画が最後まで視聴された割合「完全再生率」をKPIとしている企業もあるでしょう。そこで、今回は、ブランディング目的でデジタル動画広告を活用する際に、KPIとして設定すべき指標について考えてみたいと思います。

アナリスト コラム

デジタル動画広告の効果測定で必ず設定すべき指標とは?

■デジタル広告のKPI設定において見落とされがちなポイント

KPIを設定する上で、大前提になるのは、そもそもどのような目的で広告を配信するのかという点です。「どのようなターゲットに対して、どのようなメッセージを伝え、どのようなブランディング指標を向上させるのか」という目的に合わせて、その数値を計測する必要があります。目的を整理した上でKPIを設定する際に、Nielsenでは広告効果を3つのRに分解して考えるフレームワークを推奨しています。3つのRとは、
①Reach 「ターゲットにリーチできたのか?」
②Resonance 「共感を得られたのか?」
③Reaction 「期待した行動をもたらしたのか?」
の3つです(図表1)。

図表1: 広告効果測定における3つのR

例えば、20~34歳の女性のうち4割の人に、新商品を認知してもらうという目的があったとします。この目的を達成するために、①Reach(リーチ)と②Resonance(レゾナンス)でKPIを設定し、キャンペーン中もしくは終了後に3つのRそれぞれの効果検証を行うことで、広告の効果を漏れなく計測するフレームになります。この3Rのフレームで考えた時、「再生回数」や「完全再生率」は①リーチを測る目的でKPIとして設定し、検証しているケースが多いのではないでしょうか。また、②レゾナンスに関しては、アンケートで具体的に認知や好意度、購入意向が上がったか計測しているケースもあるでしょう。

前述のようにKPIを設定した場合、考慮されていないポイントがあります。それは、どの程度「ターゲット」にリーチできたのか?という視点です。TVCMを活用する際には、視聴者のうちターゲットがどの程度含まれるかを推定したうえで、GRPの設定を行っているケースが多いでしょう。しかし、デジタル広告のプランニングを行う際に、どの程度ターゲットに届いたのかを考慮しているケースは少ないのではないでしょうか?
また、デジタルでPCやスマートフォンなど複数のデバイスで広告出稿することも増えていると思われます。しかし、デバイスごとのリーチは計測できているケースもあるでしょうが、複数デバイスで接触した人も考慮したユニークなターゲットリーチは計測できていないケースも多いのではないでしょうか?そして、ユニークなリーチが計測出来ていないとフリークエンシーは算出することが出来ず、これもプランニングに影響してきます。
この「ターゲットへのリーチ」という視点は、「プランニングが設定したターゲットとのコミュニケーションを前提として設計されているから」という理由以外にも、3つの理由で重要であると言えます。


■動画広告の効果測定で「ターゲットへのリーチ」が重要な3つの理由
1)メディアの分散化

近年、若年層ほどTV視聴時間が減少し、タブレット、スマートフォンなど様々なデジタルデバイスの利用時間が増加している傾向があります。そうした流れを受け、TVCMだけではリーチできない層を補完する目的でデジタル広告を活用し、PCだけではリーチできない層を補完するためにスマートフォン広告を活用しているようなケースもあるでしょう。このように、ターゲットによりメディアの利用状況が分散化してきている中で、ターゲットに合わせてメディアを選定しているのだとすれば、ターゲットへリーチできていたのか計測することは重要であるといえるでしょう。

2)視聴者の関心にあった広告配信

当社の動画広告に対する消費者の意識に関する調査結果によると(結果はこちら)、動画広告がきっかけでブランドのことを嫌いになる理由として、「自分に関心のないことだったから」という理由が2番目にあげられていました。「自分に関心のある広告」という条件は、ブランドを好きになる理由や、店頭で想起する理由でも上位にあがっており、広告を配信するうえで非常に重要なポイントになります。自社の製品やサービスで想定しているターゲット以外にも広告を配信していると、ブランド毀損を招くかもしれません。

3)米国ではデジタルでもターゲティング精度は56%

デジタル広告はターゲティングがしやすいため、ターゲットに到達している割合は高いだろうと期待する人は多いでしょう。では、どの程度ターゲットに到達しているのでしょうか? 当社の米国の実際に行われたキャンペーンの効果測定結果によると、18~34歳の男女をターゲットとしていた場合、全インプレッションのうちターゲットに到達していた割合は平均で56%となっていました(図表2)。この数字は、想定していた数値と比較して、高いでしょうか?低いでしょうか? 一概に高いまたは低いとは言えませんが、44%のインプレッションがターゲット以外に到達しているということは事実です。「だいたいターゲットに当たっているであろう」ではなく、「今回は○○%だった。より精度を上げるために、次回/来月からはこのメニューへの出稿を増やそう」といったデータに基づいた業務改善を行うことが重要です。

図表2: 2015年 アメリカ 性年代別 オンターゲット率(デジタル全体)※PC、モバイルを含む

今回は、KPIを設定する際に見落とされがちな視点として「ターゲットへのリーチ」を計測する重要性について強調しましたが、当然共感度の高いクリエイティブを作成し、その効果(レゾナンス)を測ることも重要です。いくら多くのターゲットに見てもらえても、共感してもらえない内容であれば目的としていた広告の効果は期待できません。今後も動画を活用した消費者とのコミュニケーションは増加してくることと思います。その際にはぜひ、このリーチとレゾナンスの両方の視点をご活用ください。また、キャンペーン終了後には、設定したKPIの計測に加えて、3つめのRであるリアクション(例えば購入につながったかどうかなど)を計測し、マーケティング活動のROIを把握することが重要です。これらの3つのRを正確に把握することで、効果的/効率的なマーケティング活動を実施していくことが可能になります。

(ニールセン シニアアナリスト 高木 史朗)

※なお、弊社のリーチおよびレゾナンス計測サービスは以下よりご欄いただけます。
リーチ計測: ニールセン デジタル広告視聴率
レゾナンス計測: ニールセン デジタルブランドエフェクト(デジタル広告ブランディング効果測定・最適化)

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