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2014/12/24 メルマガ

メディア利用形態の多様化 ~拡大するインターネット利用時間

 

 
 
 
 
ニールセン・インサイト
2014年12月24日発行
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今回のメルマガでは、「メディア利用形態の多様化 ~拡大するインターネット利用時間」と題し、インターネット視聴率データと、消費者のマルチスクリーンの利用動向調査をもとに、メディア利用形態の多様化による視聴行動の変化について、ニールセンのアナリストの解釈、見解を語っていきたいと思います。
 
  アナリスト コラム
   

メディア利用形態の多様化 ~拡大するインターネット利用時間

 

■メディア利用形態の多様化がもたらす、メディア視聴時間の獲得競争

 

2014年12月、アメリカのニールセンの発表した「THE TOTAL AUDIENCE REPORT」によると、アメリカにおいてTVの視聴時間は2013年Q3(7~9月)から2014年Q3(7~9月)の間で10分減少した一方で、スマートフォンの利用時間は23分増加していました。身の回りに、TV、ラジオ、PC、スマートフォン、タブレット等のデバイスが浸透し、それぞれのデバイスから様々なコンテンツを消費できるようになり、私たちのメディア利用形態は多様化してきています。しかし、私たちの生活時間は1日24時間に限られているため、メディア運営事業者等にとっては、生活時間の熾烈な奪い合いとなっています。このような状況下で、現在日本のメディア利用形態はどのような状態なのか把握し、今後どのような変化が予想されるのか考えてみたいと思います。

 

■日本国内でも進む、インターネット利用時間の拡大

 

日本におけるPCとスマートフォンの一人あたりの利用時間を見ると、2014年Q1(1~3月)から2014年Q3(7~9月)の間でPCは大きな変化がないのに対し、スマートフォンは12分増加し、1日平均1時間45分となっていました(図表1)。スマートフォンの利用は、「利用者数」も「一人あたりの利用時間」も増加しており、私たちの生活時間におけるインターネット利用時間の拡大に寄与していることがわかります。

 

図表1:日本国内 各デバイスからの1日あたりのインターネット利用時間

 

 

日本国内 各デバイスからの1日あたりのインターネット利用時間

 

Source:
スマートフォン:Nielsen Mobile NetView ブラウザとアプリからの利用
PC:Nielsen NetView 家庭および職場のPCからの利用
※18歳以上の男女
※PC、スマートフォン共にブラウザとアプリからの利用
※ニールセン独自に分類しているサービスカテゴリ全体の利用時間
※各デバイスを利用している人の1日あたりの平均利用時間
※2014年Q1(1~3月)とQ3(7~9月)の1日あたりの平均利用時間

 

■「若者」と「女性」を中心に消費される、スマートフォン利用時間

 

では、この拡大するスマートフォン利用時間は、誰が、どのようなコンテンツで消費しているのでしょうか。性年代別の利用時間を見ると、男性よりも女性の方が、また、若年層ほど長くなっていました(図表2)。特に、18~29歳女性は、1日あたり平均して2時間30分以上もスマートフォンを利用しており、PCの利用時間を大きく上回っています。

属性ごとに、スマートフォンからどのようなインターネットサービスをよく利用しているのか、特徴をまとめたのが図表3になります。18歳以上の男女に長時間利用されるサービスは、1位が月間平均14時間の「ソーシャルネットワーク」で、2位は11時間利用されている「ゲーム」でした。18~29歳の男女の特徴としては、共に、他の年代よりも「ソーシャルネットワーク」の利用時間が長く、特に、女性は全体の約2倍の28時間利用していました。他のサービスで男女間の違いが大きくみられたのは「オークション」と「ビデオ/映画」で、女性は「オークション」の利用時間が長く、男性は「ビデオ/映画」の利用時間が長くなっていました。

 

図表2:日本国内 各デバイスからの1日あたりのインターネット利用時間 2014年Q3

 

 

日本国内 各デバイスからの1日あたりのインターネット利用時間 2014年Q3

 

Source:
スマートフォン:Nielsen Mobile NetView ブラウザとアプリからの利用
PC:Nielsen NetView 家庭および職場のPCからの利用
※PC、スマートフォン共にブラウザとアプリからの利用
※ニールセン独自に分類しているサービスカテゴリ全体の利用時間
※各デバイスを利用している人の1日あたりの平均利用時間
※2014年Q3(7~9月)の1日あたりの平均利用時間

 

図表3:日本国内 属性別スマートフォンからのメディア利用傾向 2014年Q3

 

 

日本国内 属性別スマートフォンからのメディア利用傾向 2014年Q3

 

Source:
スマートフォン:Nielsen Mobile NetView ブラウザとアプリからの利用
※各メディアを利用している人の月間平均利用時間
※PC、スマートフォン共にブラウザとアプリからの利用
※18歳以上男女は、総利用時間が長い上位2つのカテゴリを記載
※18歳~29歳 女性、男性は、全体と比べて利用時間が長いカテゴリを記載
※2014年Q3(7~9月)の月間平均利用時間

 

■TV視聴を侵食するスマートフォン利用

 

このようにスマートフォンの利用時間が増加することにより、他のデバイスの利用にも変化が起きてきています。利用頻度が減少したデバイスをみると、弊社のアンケート調査では、スマートフォンユーザーの27%はTVの視聴頻度が減少したと回答していました(図表4)。TVだけでなく、PCの利用時間がスマートフォンやタブレットの利用により減少するなど、様々なデバイス間での利用時間のシフトが起きてきていることが予想されます。

 

図表4:日本国内 スマートフォンの利用によるTV視聴への影響

 

 

日本国内 スマートフォンの利用によるTV視聴への影響

 

Source: Nielsen Digital Consumer Database 2014
※15歳(高校生)以上の男女

 

■PCとスマートフォンの両方で増加する動画視聴

 

最後に、TVの視聴時間に影響すると考えられる、オンライン動画の視聴状況を見てみましょう。PCとスマートフォンからの「ビデオ/映画」の利用者全体の総利用時間を見ると、2014年Q1(1~3月)から2014年Q3(7~9月)の間でPC、スマートフォン共に増加していました (図表5)。特に、スマートフォンからの利用時間は、利用者数自体が大きく増加したことも影響し、半年間で42%も増加していました。

 

図表5:日本国内 各デバイスからの「ビデオ/映画」の総利用時間と、月間平均利用時間

 

 

日本国内 各デバイスからの「ビデオ/映画」の総利用時間と、月間平均利用時間

 

Source:
スマートフォン:Nielsen Mobile NetView ブラウザとアプリからの利用
PC:Nielsen NetView 家庭および職場のPCからの利用
※18歳以上の男女
※各デバイスから動画サービスを利用している人の月間利用時間

 

■これからのメディア利用について

 

今回は、PCとスマートフォンのインターネット利用時間の変化を中心に、メディア利用形態への影響をみてきましたが、最後に、これからの変化について少し考えてみたいと思います。

今後の変化としては、「全体的にインターネット利用は拡大」していくことが挙げられますが、特に「若年層では大きくメディア利用が変化」していくことが考えられます。

インターネット利用全体としては、限られた生活時間の中、利用時間が際限なく増加することはないでしょう。しかし、現在のスマートフォン利用時間の伸び率や、PCも含めた動画コンテンツ利用時間の増加を考えると、今後も拡大し、他メディアの利用時間を奪っていくと考えられます。特にスマートフォンの利用時間は、Wi-Fiの整備が進み、モバイル環境におけるネットワーク通信での制限が解消されることなどにより、拡大していく余地はあると考えられます。スマートフォン等のモバイルデバイスは、いつでもどこでも、何か別の作業をしながらでも利用できるという利点により、今後も私たちの生活の様々なシーンに浸透していくでしょう。

次に、現在若年層を中心にスマートフォンの利用時間が長いことや、その他の年代と異なったメディア利用を行っていることを踏まえると、今後も新しいデバイスやサービスが登場することにより、若年層を中心にメディアの利用が大きく変化していくと考えられます。生まれた時から、いつでもどこでもインターネットに接続できる便利なデバイスに慣れ親しんだスマートフォンネイティブの世代にとっては、スマートフォンでの動画視聴やECサイトでの買い物なども、抵抗なく行われていくでしょう。とりあえず家に帰ったらTVをつけるという行為と同じように、とりあえず動画サイトを開くといった行為がすでに日常的になっている人もいるでしょう。

メディア利用形態の多様化が進むことにより、視聴者は同じコンテンツでも、その時・その場所に適したデバイスが選択できるようになってきました。メディア運営事業者やコンテンツ提供会社としては、様々な属性の視聴者が、その状況に適したデバイスで、好きなコンテンツを見ることができるように対応していくことが重要となります。また、広告主にとっては、生活者とのベストなコンタクトポイントを把握するためにも、視聴者属性ごとに、何のコンテンツがいつどのくらい視聴されているのか、クロスデバイスで把握することが重要と言えます。

(ニールセン アナリスト 高木 史朗)

 
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