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2023/11/21 メルマガ

指名検索やクリック数だけを改善していては、広告効果を最大化できない?

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ニールセン インサイト ~メディア~

2023年11月21日号

デジタル上のキャンペーンの効果測定を行う方法としては、目的にあわせて様々な手法が提供されています。そのような中、クライアントと話をしていて、「指名検索数が増えているかどうか」、「クリックスルーレート(以降CTR) などのコンバージョンレートが改善しているか」、といった指標をサイトアクセス解析ツールや広告効果測定ツール等を活用して確認していますという声をよく伺います。これらの指標は、カテゴリの中でも自社名や商品名を思い出して調べてくれるユーザーや広告をみて関心をもってサイトへアクセスしてくれるユーザーといった、より購買フェーズに近い指標となります。短期的に売上目標を達成する必要がある場合など、ローワーファネルのマーケティング活動を評価する上では重要な指標となるでしょう。また、広告配信中にリアルタイムで結果を見ることが可能なため、キャンペーン期間中に改善を図っていくことができるという点でも、短期的に効果を求められる近年のトレンドに沿った指標とも言えます。しかし、このようなローワーファネルの指標に偏ってPDCAサイクルを回していると、より大きな効果を得る機会を逃してしまう可能性があります。そこで、今回のメルマガではマーケティング活動全般においてアッパーファネルの指標を確認していくことの重要性についてご紹介させていただきます。


指名検索やクリック数だけを改善していては、
広告効果を最大化できない?

ニールセンデジタル シニアアナリスト 高木史朗

この記事を読んで頂いている方の中でも、実店舗で購入する場合でも事前にオンライン上で検討するという人も多いのではないでしょうか。コロナ禍では店舗での人との接触を避ける目的でそういった行動が増えた人も多いでしょう。そのため、指名検索数やクリック数などの指標をKPIとして改善していくことによる効果に期待が集まるのはうなずけます。しかし、実店舗で商品を購入する際にオンラインで検討してから購入するという人は、食品で32%、化粧品でも41%にとどまり、オンライン以外で検討してから実店舗で購入するという人がどちらのカテゴリでも80%以上を占めています(図表1)。依然として、実店舗で検討してそのままお店で購入している人が多いのが実態です。ポストコロナの今、外出行動が戻ってきている状況下では、実店舗だけで検討と購入が完結するような消費行動が戻ってくることも予想されます。

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指名検索数やCTRを改善させることにより売上を向上させることができるかもしれませんが、そうした指標により改善できるのは消費行動の一部になります。そのため、事前にオンラインで検討をしていない消費行動に影響を与える指標、つまり、ブランド認知などのアッパーファネルの指標も合わせて確認しながら、マーケティング活動全体の最適化を測っていくことが依然として重要であることがわかります。(ローワーファネルマーケティングとアッパーファネルマーケティングをバランスよく組み合わせながらマーケティング戦略を立てる方法については、こちらをご参照ください。)

しかし、中にはオンラインで購入させることが主な目的のブランドもあるでしょうし、キャンペーンによってはローワーファネルの指標の向上にフォーカスするというケースもあるでしょう。このような場合でも、ローワーファネルの指標だけを確認していると問題に直面する場合があります。


まずひとつ目の問題としては、CTR等の指標を改善してきたが大幅な改善には繋がらないケースや改善の幅がだんだん小さくなってきているというケースがあります。ローワーファネルの指標で把握することができるのは、すでに購入に近いユーザーが対象となるため小さなパイの中に限定された改善になる傾向があります。そのため、上位ファネルにいるユーザーが増えていないと、大幅な改善が見込めない場合も出てきます。

ふたつ目は、ダイレクトレスポンス目的の広告配信でよく利用される、クリック数に応じて課金されるような成果報酬型の広告配信の際の問題です。成果報酬型の場合、目標としている数値を達成するためにお金を支払うため、インプレッション数が多くても少なくても料金は代わりません。そのため、どのような人たちに配信されて、一人あたり平均何回広告が表示されていたのか、といったリーチ指標が見落とされがちです。クリックしてもらうために、同じユーザーに対して何回も同じ広告を表示している可能性がある点を考慮すると、改善を図らないと自社ブランドを嫌いになるユーザーを増やしていくことになります。また、クリックした人は商品に関心がある人だろうから、という理由で誰に配信されているのかという点を気にしないケースもあるでしょう。仮に、女性をターゲットとした広告を配信していた場合に、実際には広告の半分が男性に配信されていたとします。このような場合、男性に配信されている広告を正しく女性に配信されるように変更することで、大きな改善を得られる可能性があります。より興味をもってくれるであろうターゲットに対して適切な回数で配信されていれば、より少ない配信で嫌いになってしまう人を増やさずに大きな効果を得ることが期待できます。

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今回見てきたように、ローワーファネルマーケティングにおいても、アッパーファネルの指標も同時に確認していくことが重要です。特に、CTRがなかなか改善しない場合や同じクリック数を獲得するために配信数が増加している場合は、早急に今回ご紹介したような指標を確認していくことをおすすめします。また、現状はうまくいっているという場合でも、定期的にリーチ指標やアッパーファネル指標を確認して、正しく狙ったターゲットに配信されているのか、過剰に配信されていないかといった点を確認することの意義は大きいでしょう。最近ではテレビとデジタルを組み合わせて広告を配信するケースも多いでしょうが、この場合も、ローワーファネルだけでなく、アッパーファネルの指標もテレビとデジタルで同じ基準で計測して、メディア横断的に確認して改善を図っていくことが重要になります。

最後までご覧いただきありがとうございました。


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