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2022/11/24 メルマガ
変化の大きいデジタル業界における持続可能なメディアプランとは?
ニールセン インサイト ~メディア~
2022年11月24日号
デジタル広告がテレビCMなどの従来型の広告と大きく異なる点として、広告を掲載することができる媒体が多岐にわたっている点が挙げられます。そのような様々な媒体の中から、コミュニケーションの目的にあったものを選定していく作業は簡単では無いでしょう。そのため、過去の広告効果測定の結果が良かった特定の媒体を継続的に選定していくということもあるでしょう。また、近年のクッキーレスの影響を受けて、ユーザー特性などの多くのデータを保有している大手の媒体が優先的に選ばれるという傾向も見られます。このような一部の媒体に偏ってコミュニケーション活動を行っていくことは、効率性を高めることになるかもしれません。一方で、いつも利用する媒体以外の選択肢の中から、キャンペーンの目的にあった最適な媒体を活用して、より効果的なコミュニケーションを取りたいと考えるマーケティング担当者も多いのでは無いでしょうか。そこで、今回はクッキーレスの影響や、テレビとデジタルの最適な組み合わせなど、様々な要素を踏まえて最適なプランニングを考えていく必要のあるマーケティング担当者にとって、媒体選定において注意すべき点について考えてみましょう。
変化の大きいデジタル業界における
持続可能なメディアプランとは?
ニールセンデジタル シニアアナリスト 高木史朗
まず、現状どのようなメディアがよく活用されているのかニールセンのデジタル広告リーチ計測サービス「デジタル広告視聴率(DAR)」で、過去5年間で計測してきた結果を見てみましょう。各キャンペーンで計測した総インプレッション(以下、imp)数のうち、多くの広告主企業が活用している大手5媒体(Facebook、Instagram、Twitter、Yahoo! Japan 、YouTube)に配信していたimp数の割合の平均値を経年で比較すると、年々その数値は増加してきています(図表1)。つまり、実際に多くのキャンペーンにおいて、特定の大手媒体の活用に偏ってきている傾向が見られます。
このような変化が起きてきている背景には、冒頭で触れたような様々な要因が考えられます。世界的に経済が混乱し先行きが不透明な中、効率化を図っていくという意味で、このように一部のメディアに偏って配信していく方が良いという考え方もできるでしょう。しかし、多くの企業が一部の媒体に集中した場合、以下のようなリスクも考えられます。
・CPMの上昇
消費者が特定の媒体に費やす時間は限られているため、広告を表示する時間には限りがあります。限られた供給枠の中で、広告主側の広告出稿の需要だけが増加すると、当然ながら広告費は上昇します。ニーズの高いターゲット属性では、さらに広告費が高騰することが考えられます。
・1imp、1動画再生の効果が下がる
特定の媒体に広告出稿が集中するということは、自社だけでなく、競合他社の広告出稿も同じ媒体内で集中することになります。そのため、消費者の体験としては、似たような商品カテゴリの複数の企業の広告に頻繁に接触することとなり、ブランド間の差異が認識しづらくなる可能性が考えられます。
・媒体運営者側の方針変更に大きく影響を受ける
世界的な不景気や経営陣の刷新など、様々な要因により媒体社側の方針が急に大きく変更されることがあります。ブランドの方針が媒体社の方針に沿わないため、その媒体を今後活用できない、というような事態も考えられます。その際に一部の媒体社に依存していると、代替手段がなくなりその影響はさらに大きくなります。
上記のようなリスクを考慮すると、マーケティング担当者としては、一部の媒体に頼らずに、数多くの選択肢を用意しておくことが重要であるといえます。リーチ規模も大きく、様々なターゲティング配信が可能な大手媒体は魅力的ですが、リーチ規模が小さくても、より目的にあった媒体、消費者により良い態度変容を起こすことができる媒体もあるでしょう。DSPでも、クッキーレスに対応したターゲティング方法を各社開発しており、媒体横断的に配信することで、主要媒体と同等のリーチ規模で配信できるケースもあります。現状スマートフォンの利用時間全体のうち、先程触れた大手5媒体をまとめた利用時間が占める割合は34%です(図表2)。
残りの66%という多くの時間が、他の媒体利用時間に使われています。もし競合他社が主要5媒体での広告出稿に偏っていた場合、主要5媒体以外の66%のスマートフォン利用時間も活用することで、より効果的にターゲットとしている消費者とコミュニケーションを取ることができる可能性があります。
クッキーレスに加え、グローバル全体で景気が悪化し、媒体社の動向も不透明な中、消費者とのコミュニケーションを継続的に取っていくためには、幅広い選択肢の中でマーケティング施策を実行していく必要があります。また、テレビ放送やコネクテッドTV等とも組み合わせながら、最適な媒体を選んでいく必要もあります。テレビとデジタルを組み合わせた場合は、過去のメルマガでも触れているように、ターゲットに対して効果的にリーチするために、リーチやフリークエンシーをうまく補完できる媒体の組み合わせが重要になります。この組み合せの候補としても、多くの媒体候補から目的にあった媒体を活用し、実際にうまく配信できていたのかを効果測定しながら改善を図っていくことが、変化の大きいデジタル業界において持続可能なマーケティング戦略であると考えます。
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