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2008/02/15 メルマガ

「言論機関」としての新聞と「新's」(あらたにす)

Nielsen Online REPORTER ご購読者 様
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2008年2月15日号
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■ コラム 【ウェブマーケティング・データライン】
「言論機関」としての新聞と「新's」(あらたにす)
       (ネットレイティングス アナリスト 山田 康介)
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■ コラム <ウェブマーケティング・データライン>
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▼△▼  「言論機関」としての新聞と「新's」(あらたにす)  ▼△▼
「あらたにす」という聞きなれない言葉を耳にして「新しいテレビドラマ
か? 」と思いきや、どうやら朝日、日経、読売の3紙の共同運営による新サ
イトのようである。
上の3紙の一面や社説などを「横並びで比較できること」を大きな特徴とし
たサイトで、2月1日にオープンしたばかりだ。
テレビドラマにはとんと疎いが週末に全国紙をまとめ読みするのが趣味の
筆者にとっては、願ってもないサイトがオープンしたと早速チェックしてみ
た。
新聞には元来「報道機関」と「言論機関」としての 2つの機能があるが、
「あらたにす」はこの「言論機関」としての新聞の魅力を伝えるという、今
までのニュースサイトとは一味違った存在を目指しているようである。
ネット上での新聞サイトはニュース配信メディアとしてポータルサイトな
どと比較されてしまう事も多いのだが、本来は組織としての主張を展開する
「言論機関」としての機能もあり、実はこちらの方が新聞本来の存在意義で
ありまた魅力でもある。
サイトの目的には「新聞購読の促進」なども含まれるようだが、サイトを
見ると工夫されている部分と準備不足が否めない部分が混在しているように
見受けられた。
まずはサイトのアクセスデータを見てみよう。
■週次のアクセス規模の比較(「あらたにす」と全国紙サイト)
--------------------------------------------------------------------
集計対象URL URL概要 利用者数 総利用時間
(千人) (千分)
sankei.jp.msn.com msn産経ニュース 2,152 11,514
www.mainichi.jp 毎日jp 1,921 6,723
www.asahi.com asahi.com 1,629 18,328
www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 1,222 7,311
www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 1,051 8,723
----------
www.allatanys.jp あらたにす 332 2,301
*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)の
データ
--------------------------------------------------------------------
Source:Niesen Online NetView 2008年1月28日の週 家庭からのアクセス
上記のデータは、「あらたにす」と全国紙サイトの 1月28日の週の利用者
数と総利用時間である。
「あらたにす」は、家庭からのアクセスで3日間(*「あらたにす」は2月1
日サイトオープンのため)で33万人を集めている。新サービスのアクセス規
模としてはまずまずだが、オープン時にアクセスが多いのは一般的であり、
全国紙3紙の共同開発にしては手放しで喜べない数値なのではないだろうか。
また、次ぐ 2月4日の週の速報値を確認したところ、1週間のデータで足切り
以下(20万人以下)であったことも併せて報告したい。 2月の月次データを
待たなければならないが、月間利用者数は100万を切るのではないか。
アクセス規模の目標値がどの程度かは分からないが、全国紙3紙共同運営の
サイトとして上記で充分かどうかは難しいところではないだろうか。
理由は様々であろうが、筆者としては下記の点が気になったので共有した
い。
サイトの魅力としては、各紙の一面や最新ニュースが一覧で比較できるの
みならず、過去に遡っても比較できる点や、「注目テーマ」ごとに各紙の論
点の違いが一覧で比較できる点。「新聞案内人」と呼ばれる解説者による3紙
の論点の違いなどの解説が読める点。また、多くの情報メディアサイトが広
告をあの手この手でコンテンツに紛れ込ませている中、広告スペースがほと
んど見当たらない点、などが挙げられる。
反対に準備不足に見えた点としては、単に一面の記事タイトルと本文の一
部が比較できるのみで、本文全体を読み比べるために各紙サイトに移動しな
ければならない点。折角の「新聞案内人」の解説の更新が解説者ごとに不定
期で、且つ各解説者の原稿の更新日が一覧で分からず、また更新頻度が低い
点。(解説者によっては数週間前の更新で止まっているものも見られた。)
読み物としてはたいへん魅力的な各紙の「コラム」が、本サイト上で内容
の比較ができないのも筆者にとっては残念だった。
ウェブサイトは紙面と違ってスペースの制限が小さい。この特性を活かし
て、記事の本文全体をゆっくりと読み比べることのできるスペースを提供し
て欲しかった。
また「新聞案内人」の解説もせめて一人分でも毎日更新されていればと思
うのは、多くを求め過ぎているのであろうか。一人では負担が大きいだろう
が、10人で分担すれば10日に一度の更新で済むはず。新聞サイトには毎時毎
分新しい記事が掲載され、またネットでのコンテンツ更新の速さは周知の事
なのに、全国紙の新しいサービスとしては少し寂しい。
当初「あらたにす」のようなサイトを閲覧する可能性のある潜在利用者は
どちらかと言えば既に新聞各紙の論点や掲載記事の違いに興味を持っている
利用者のはず。
そのような利用者は、言わば自らが「新聞案内人」になりたい人達なのでは。
そのための材料提供として、より深いコンテンツのより優れた提供方法が望
まれるのではないだろうか。
それでは次に、利用者の利用動向の違いを見てみよう。
■週次の平均セッション滞在時間の比較(「あらたにす」と全国紙サイト)
--------------------------------------------------------------------
集計対象URL       URL概要 セッション滞在時間
(分/セッション)
sankei.jp.msn.com msn産経ニュース 2.3
www.mainichi.jp 毎日jp 2.4
www.asahi.com asahi.com 3.6
www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 2.4
www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 2.6
----------
www.allatanys.jp あらたにす 3.5
*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)の
データ
--------------------------------------------------------------------
Source:Niesen Online NetView 2008年1月28日の週 家庭からのアクセス
上記のデータは各サイトの平均セッション滞在時間、つまり訪問一回当た
りのサイト利用時間を比較したものであり、各サイトがどの程度読み込まれ
ているかを比べるする指標として取り上げた。
この指標を見ると、訪問一回当たりのサイト利用時間は大きく2つのグルー
プに分けられる事が分かる。約3.5分利用の「asahi.com」、「あらたにす」、
そして約2.5分利用のその他の各サイトである。
現在はサイトオープン直後のため、今後運営が進むにつれてこの指標に変
化がある可能性が高いが、現在のところ「asahi.com」と同程度の比較的長い
利用時間を示している事は興味深い。
現在本サイトの多くのコンテンツが各紙サイトへのリンクによって構成さ
れている中セッションあたりの利用時間が全国紙サイトと比べ長くなってい
るのは、この3日間でアクセスした33万人の利用者は瞬時に読み取れる「ニュ
ース情報」を求めて流入したのではなく、深く読み込む事のできるコンテン
ツを求めてきたと思われるからだ。
「あらたにす」が今までと違った新聞サイトを目指しているのなら、アクセ
ス規模とは異なった、例えば利用者の滞在時間といった指標でその存在を
アピールする事も面白いのではないだろうか。
(*この、今までと異なるサイトの価値を測る指標に関してはネットレイティ
ングスの課題でもあるのだが、ぜひ読者の皆様のご意見もうかがいたいとこ
ろである。)
続いて利用者の重複状況を見てみた。
■週次の重複利用状況(「あらたにす」と全国紙サイト)
--------------------------------------------------------------------
集計対象URL       URL概要       重複利用者の割合
(%)
www.allatanys.jp    あらたにす       100
----------
www.asahi.com      asahi.com 65
www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 38
www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 48
www.mainichi.jp 毎日jp 24
sankei.jp.msn.com msn産経ニュース 23
*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)
データ
--------------------------------------------------------------------
Source:Niesen Online NetView 2008年1月28日の週 家庭からのアクセス
上記は、「あらたにす」利用者33万人の内調査対象期間中に各全国紙サイ
トを重複して閲覧していた利用者数の割合を、「あらたにす」利用者を100と
して比較したものである。これを見ると「asahi.com」が65%で最も割合が高
くなっており、つまり「あらたにす」利用者の65%(22万人)が同期間中に
「asahi.com」を閲覧していた事になる。
このデータだけでは「あらたにす」サイトの送客力が「asahi.com」に強
く働いていたのか、それとも元々「asahi.com」利用者の「あらたにす」へ
の興味度が高かったのかは分からない。
現在のところデータから読み取れるのは、共同運営に参加している3紙サイ
トの中では、「あらたにす」利用者は最も多く「asahi.com」を閲覧しており
次いで「YOMIURI ONLINE」、「NIKKEI NET」の順だという事である。
また面白いのは、本サイトに直接関連していない「毎日.jp」、「msn産経
ニュース」の利用者も23-24%見られる点である。
つまり現在「あらたにす」を閲覧している利用者は、リンクの存在如何に
関わらず元々各新聞サイトを比較閲覧しているということになり、別な言い
方をすると、そういった利用者が現在の「あらたにす」の利用者層であると
も言える。
今後の課題として、ターゲットユーザーへの効果的なアピールを行うため
に現状でのサイト利用者の特性を把握し、機能やコンテンツの適切な改善を
進めて行くのも大切なのではないだろうか。
新聞社の公開する記事や社説、コラムは、単なるニュース情報ではなく組
織として情報を吟味して形作る意見であり、長年蓄積された知識や知見に基
づいて組み立てられた主張の現われでもあるはず。
情報が右から左に捨てるほど溢れている時代だからこそ、より多くの読者
に恵まれて欲しいものである。
「あらたにす」には、「言論機関」としての新聞の魅力や重要性を広くネッ
トユーザーに啓蒙するための今後の活躍に期待したい。
(ネットレイティングス アナリスト 山田 康介)
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ご購読を希望されない場合は、たいへんご手数をおかけいたしますが、下記
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配信停止手続ページ
http://csp.netratings.co.jp/nnr/rep_release.html
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一旦、上記配信停止ページより配信停止の手続きを完了後に下記URLより
再登録をお願い申し上げます。
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配信登録手続きページ
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引き続きご愛読賜れば幸いです。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
ネットレイティングス株式会社
Nielsen Online REPORTER 編集部

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「言論機関」としての新聞と「新's」(あらたにす)

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▼△▼  「言論機関」としての新聞と「新's」(あらたにす)  ▼△▼

「あらたにす」という聞きなれない言葉を耳にして「新しいテレビドラマ

か? 」と思いきや、どうやら朝日、日経、読売の3紙の共同運営による新サ

イトのようである。

上の3紙の一面や社説などを「横並びで比較できること」を大きな特徴とし

たサイトで、2月1日にオープンしたばかりだ。

テレビドラマにはとんと疎いが週末に全国紙をまとめ読みするのが趣味の

筆者にとっては、願ってもないサイトがオープンしたと早速チェックしてみ

た。

新聞には元来「報道機関」と「言論機関」としての 2つの機能があるが、

「あらたにす」はこの「言論機関」としての新聞の魅力を伝えるという、今

までのニュースサイトとは一味違った存在を目指しているようである。

ネット上での新聞サイトはニュース配信メディアとしてポータルサイトな

どと比較されてしまう事も多いのだが、本来は組織としての主張を展開する

「言論機関」としての機能もあり、実はこちらの方が新聞本来の存在意義で

ありまた魅力でもある。

サイトの目的には「新聞購読の促進」なども含まれるようだが、サイトを

見ると工夫されている部分と準備不足が否めない部分が混在しているように

見受けられた。

まずはサイトのアクセスデータを見てみよう。

■週次のアクセス規模の比較(「あらたにす」と全国紙サイト)

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集計対象URL URL概要 利用者数 総利用時間

(千人) (千分)

sankei.jp.msn.com msn産経ニュース 2,152 11,514

www.mainichi.jp 毎日jp 1,921 6,723

www.asahi.com asahi.com 1,629 18,328

www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 1,222 7,311

www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 1,051 8,723

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www.allatanys.jp あらたにす 332 2,301

*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)の

データ

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Source:Niesen Online NetView 2008年1月28日の週 家庭からのアクセス

上記のデータは、「あらたにす」と全国紙サイトの 1月28日の週の利用者

数と総利用時間である。

「あらたにす」は、家庭からのアクセスで3日間(*「あらたにす」は2月1

日サイトオープンのため)で33万人を集めている。新サービスのアクセス規

模としてはまずまずだが、オープン時にアクセスが多いのは一般的であり、

全国紙3紙の共同開発にしては手放しで喜べない数値なのではないだろうか。

また、次ぐ 2月4日の週の速報値を確認したところ、1週間のデータで足切り

以下(20万人以下)であったことも併せて報告したい。 2月の月次データを

待たなければならないが、月間利用者数は100万を切るのではないか。

アクセス規模の目標値がどの程度かは分からないが、全国紙3紙共同運営の

サイトとして上記で充分かどうかは難しいところではないだろうか。

理由は様々であろうが、筆者としては下記の点が気になったので共有した

い。

サイトの魅力としては、各紙の一面や最新ニュースが一覧で比較できるの

みならず、過去に遡っても比較できる点や、「注目テーマ」ごとに各紙の論

点の違いが一覧で比較できる点。「新聞案内人」と呼ばれる解説者による3紙

の論点の違いなどの解説が読める点。また、多くの情報メディアサイトが広

告をあの手この手でコンテンツに紛れ込ませている中、広告スペースがほと

んど見当たらない点、などが挙げられる。

反対に準備不足に見えた点としては、単に一面の記事タイトルと本文の一

部が比較できるのみで、本文全体を読み比べるために各紙サイトに移動しな

ければならない点。折角の「新聞案内人」の解説の更新が解説者ごとに不定

期で、且つ各解説者の原稿の更新日が一覧で分からず、また更新頻度が低い

点。(解説者によっては数週間前の更新で止まっているものも見られた。)

読み物としてはたいへん魅力的な各紙の「コラム」が、本サイト上で内容

の比較ができないのも筆者にとっては残念だった。

ウェブサイトは紙面と違ってスペースの制限が小さい。この特性を活かし

て、記事の本文全体をゆっくりと読み比べることのできるスペースを提供し

て欲しかった。

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うのは、多くを求め過ぎているのであろうか。一人では負担が大きいだろう

が、10人で分担すれば10日に一度の更新で済むはず。新聞サイトには毎時毎

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どちらかと言えば既に新聞各紙の論点や掲載記事の違いに興味を持っている

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そのような利用者は、言わば自らが「新聞案内人」になりたい人達なのでは。

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まれるのではないだろうか。

それでは次に、利用者の利用動向の違いを見てみよう。

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(分/セッション)

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www.mainichi.jp 毎日jp 2.4

www.asahi.com asahi.com 3.6

www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 2.4

www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 2.6

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*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)の

データ

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上記のデータは各サイトの平均セッション滞在時間、つまり訪問一回当た

りのサイト利用時間を比較したものであり、各サイトがどの程度読み込まれ

ているかを比べるする指標として取り上げた。

この指標を見ると、訪問一回当たりのサイト利用時間は大きく2つのグルー

プに分けられる事が分かる。約3.5分利用の「asahi.com」、「あらたにす」、

そして約2.5分利用のその他の各サイトである。

現在はサイトオープン直後のため、今後運営が進むにつれてこの指標に変

化がある可能性が高いが、現在のところ「asahi.com」と同程度の比較的長い

利用時間を示している事は興味深い。

現在本サイトの多くのコンテンツが各紙サイトへのリンクによって構成さ

れている中セッションあたりの利用時間が全国紙サイトと比べ長くなってい

るのは、この3日間でアクセスした33万人の利用者は瞬時に読み取れる「ニュ

ース情報」を求めて流入したのではなく、深く読み込む事のできるコンテン

ツを求めてきたと思われるからだ。

「あらたにす」が今までと違った新聞サイトを目指しているのなら、アクセ

ス規模とは異なった、例えば利用者の滞在時間といった指標でその存在を

アピールする事も面白いのではないだろうか。

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ングスの課題でもあるのだが、ぜひ読者の皆様のご意見もうかがいたいとこ

ろである。)

続いて利用者の重複状況を見てみた。

■週次の重複利用状況(「あらたにす」と全国紙サイト)

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集計対象URL       URL概要       重複利用者の割合

(%)

www.allatanys.jp    あらたにす       100

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www.asahi.com      asahi.com 65

www.nikkei.co.jp NIKKEI NET 38

www.yomiuri.co.jp YOMIURI ONLINE 48

www.mainichi.jp 毎日jp 24

sankei.jp.msn.com msn産経ニュース 23

*「あらたにす」は2月1日サイトオープンのため 2月1日~3日(3日間)

データ

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Source:Niesen Online NetView 2008年1月28日の週 家庭からのアクセス

上記は、「あらたにす」利用者33万人の内調査対象期間中に各全国紙サイ

トを重複して閲覧していた利用者数の割合を、「あらたにす」利用者を100と

して比較したものである。これを見ると「asahi.com」が65%で最も割合が高

くなっており、つまり「あらたにす」利用者の65%(22万人)が同期間中に

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トの中では、「あらたにす」利用者は最も多く「asahi.com」を閲覧しており

次いで「YOMIURI ONLINE」、「NIKKEI NET」の順だという事である。

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ニュース」の利用者も23-24%見られる点である。

つまり現在「あらたにす」を閲覧している利用者は、リンクの存在如何に

関わらず元々各新聞サイトを比較閲覧しているということになり、別な言い

方をすると、そういった利用者が現在の「あらたにす」の利用者層であると

も言える。

今後の課題として、ターゲットユーザーへの効果的なアピールを行うため

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進めて行くのも大切なのではないだろうか。

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づいて組み立てられた主張の現われでもあるはず。

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「あらたにす」には、「言論機関」としての新聞の魅力や重要性を広くネッ

トユーザーに啓蒙するための今後の活躍に期待したい。

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