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2006/10/01 メルマガ
トラディショナル・メディア
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2006年10月1日号
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■ コラム 【ウェブマーケティング・データライン】
「トラディショナル・メディア」
(ネットレイティングス マーケティング部 西村総一郎 )
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■ コラム <ウェブマーケティング・データライン>
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▼△▼ トラディショナル・メディア ▼△▼
前号に引き続いて新聞社系サイトを取り上げてみる。日本の新聞の歴史は
一世紀を超える。そして、以来ずっと日本のメディアを牽引してきた。現代
のメディアの主役といわれているテレビが誕生した50数年前も、新聞社が母
体となってテレビ局を設立した例が多い。例外も含めて現在のキー局の全て
が中央紙系になっているので、何らかの形で新聞社がテレビの誕生あるいは
発展に関与した。また、テレビという強力な情報伝播力のある巨大メディア
の成長の影でも、現在に至るまでテレビと対等以上のメディア価値と広告媒
体としての存在価値を維持してきた。今から11年前に日本のネットメディア
が産声を上げようとした時、いち早くネット上にメディアとして朝日新聞、
読売新聞はサイトを立ち上げている。ヤフーが日本でサービスを開始したの
はその翌年の1996年だ。その新聞社がネット時代の到来で重要な局面を迎え
ているように思う。相変わらずメディアとしての権威と価値に衰えはない。
しかし、新聞社も民間企業である。その収益は販売と広告の2つの柱に支え
られている。その両方で近年変化が出始めているのではないだろうか。若年
層の活字離れは今に始まったわけではないが、ネットでニュース記事を読む
という習慣の普及は少なからず販売部数に影響を与えているだろう。また、
広告収入の面でも既にインターネット広告費はラジオ広告費を抜き、雑誌広
告費に迫る勢いだ。ここ数年で新聞広告費抜くということはありえないだろ
うが、広告費を出す広告主の財布の中身は変わらないわけだから、新しい広
告媒体の台頭による影響は必ず出てくる。一方、新聞社系のウェブサイトの
広告収入は新聞という紙がもたらす広告収入と比べると、まだ一桁も二桁も
少ないのではないだろうか。このアンバランスが新聞社の悩みの種だろう。
アメリカの有力新聞は既にネットに大きくシフトしている。元々アメリカの
新聞事情は日本と異なっており、全国紙というものが無かった。有名なニュ
ーヨークタイムスやウォールストリートジャーナルも紙としては非常に限ら
れた地域でしか販売されていなかった。それがネット時代になり、マーケッ
トが地域から全米あるいは全世界に拡大されたことにより、広告媒体として
の評価が桁違いに上がったので、一気にネットにウェイトを移していった訳
だ。
下記は各新聞社系サイトの利用者の地域分布である。細かく県別に出すこと
もできるが、スペースの関係で首都圏、近畿圏、その他で表してみた。首都
圏とは東京日本橋に中心を置き、そこから40km圏内の円内にかかっている全
市町村を指す。近畿圏も同様で中心点は堂島である。
---------------- 新聞社サイト地域別利用状況 ---------------
利用者数(単位:千人)
首都圏 近畿圏 その他 全国合計
yomiuri.co.jp 1,691 899 2,961 5,551
mainichi-msn.co.jp 1,594 829 2,970 5,393
asahi.com 1,359 899 2,873 5,131
nikkei.co.jp 1,006 610 1,905 3,521
sankei.co.jp 460 348 909 1,717
構成比
首都圏 近畿圏 その他
yomiuri.co.jp 30% 16% 53%
mainichi-msn.co.jp 30% 15% 55%
asahi.com 26% 18% 56%
nikkei.co.jp 29% 17% 54%
sankei.co.jp 27% 20% 53%
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Source:Nielsen//NetRatings NetView IMS 2006年8月家庭からのアクセス
上記の構成比に注目していただきたい。構成比自体は紙のエリア別販売部数
構成比と大きくは変わらないかもしれないが、それでも各紙とも首都・近畿
圏以外の読者が5割以上もいるのだ。しかも、新聞社は各地域に支社・支局を
持っておりローカルニュースという貴重なコンテンツを持っている。つまり
全国をカバーできるナショナルクライアント向けの性格とローカル広告主向
けの性格を併せ持っているのである。このようなインターネット専業メディ
アにはないアドバンテージをもっと活かす手はないだろうか。
新聞社系でもうひとつ。通常、新聞社サイトの利用状況を調べる場合は、上
記のドメイン単位でデータを作成する。そうすると、現状は読売、毎日(こ
れは MSNとの共同事業であるが)、朝日、日経、産経という順になる。産経
新聞だけ頭ひとつ置いて行かれているように見える。しかし、会社・グルー
プとしてのネットへの取り組みの成果ということで、企業・グループ単位の
プロパティ・ランキングで見ると下表のようになる。
-------------- 新聞社系プロパティ別利用状況 ---------------
プロパティ 利用者数(単位:千人)
Sankei Shimbun 10,016
Yomiuri Shimbun 5,511
Asahi Shimbun 5,195
Nihon Keizai Shimbun 3,526
Mainichi Shimbun 679
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Source:Nielsen//NetRatings NetView AMS 2006年8月家庭からのアクセス
なんと順位が大逆転し、産経新聞グループがダントツのトップになるのだ。
これは傘下の夕刊フジが母体になっているサイトZAKZAKの利用者数に引っ張
られている。ZAKZAKの成長は著しく、8月には前年同月比 621万人増の760万
人(成長率500%以上)に達している。ちなみにmainichi-msn.co.jpはMSNのプ
ロパティに参入しているので、上記の毎日新聞の値はmainichi.co.jpのみの
値になっている。
最後に今やトラディショナルメディアであるテレビのネットへの取り組み
だが、テレビ局が開設しているウェブサイトは現在もテレビ番組宣伝サイト
としての色合いが濃い。最近、各局とも動画配信サイトに力を入れ始めたが
利用状況はまだ芳しくない。そんな中で番組宣伝と趣を異にすることの先鞭
として開始された日本テレビの「第2日本テレビ」がここに来てブレークの
兆しがある。第2日本テレビは開局以来、月間ユニークユーザー数が 10-20
万人台と低空飛行をしていたが、7月には43万人、8月は89万人と脅威の急成
長をしている。番宣を超えたテレビ局のネットメディア戦略が本格化するか
注目したい。
(ネットレイティングス マーケティング部 西村総一郎)
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