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2022/02/08 メルマガ
クッキーレス時代に求められる持続可能な「人」ベースのデジタルリーチ測定
ニールセン インサイト ~メディア~
2022年2月8日号
デジタル広告業界はこの10年間で大きな発展を遂げてきました。米国に続いて日本でも、既にデジタル広告費はテレビ広告費を抜き去り、デジタル広告は企業の宣伝・マーケティング活動においてなくてはならないものとなりました。その一方で、新興のデジタル広告には、その仕組の複雑さも相まって不透明な部分があるのも事実です。2017年1月には世界最大の広告主であるP&GのCMOのマーク・プリチャード氏が米国のIAB総会においてデジタル広告における「透明性のある取引」を求める宣言をおこないました。その趣旨の一つとして、同氏はデジタル広告取引に「透明性」を導入するために、「第三者機関による測定」の導入を強く求めました。
また、デジタルに限らず、マーケティングの基本は「人」です。マーケティングの目的がコンバージョンであれ、ブランディングであれ、デバイスやブラウザ単位でトラッキングをしていては、本当の意味でのマーケティング効果を検証することはできませんし、テレビをはじめとする他メディアとの統合的なマーケティング効果を把握することもできません。このような背景のもとに、プラットフォームを横断する「人」ベースのリーチ測定ソリューションであるニールセン デジタル広告視聴率(DAR)は、日本及び世界のデジタルリーチ測定の標準データとしてデジタル広告業界で支持されてきました。DARがデジタル広告業界に支持された理由は、確固たるメソドロジーを背景にしたデータの正確性です。
DARは世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookを提供するフェイスブック社(当時、現Meta社)とのグローバルレベルでの提携によりサービスを開始しました。PCとモバイルのプラットフォーム間でのユニークを特定できる、正確性の高いFacebookのID管理された性年齢情報により、プラットフォーム間の重複が排除された正確なリーチ、ターゲットリーチ、オンターゲット率等の指標が提供可能になりました。日本においても2300万人という大規模なFacebook会員の情報に、クッキーや広告IDなどのデジタル識別子を確定的情報として突合させることで、誤差±1%以内(10万インプレッションの内、50%がフリークエンシー2回でターゲットの性別に当たっていた場合のシミュレーション)で、大規模キャンペーンはもとより、小規模のキャンペーンにおいてさえも正確なリーチ計測を提供して参りました。
今回のメルマガでは、クッキーレス時代に求められる持続可能な「人」ベースのデジタルリーチ測定に対するニールセンの取り組みをご紹介します。
クッキー規制に対応したデジタル識別子に依存しない「人」ベースのリーチ測定
ニールセンは、2017年6月にリリースされたアップル社のITP 1.0から始まったサードパーティクッキー規制に当初より着目しており、また2018年に、予てから議論されていた欧州でのGDPRが発効され、プライバシー保護の潮流がデジタル広告業界を席巻するようになることを予見して、対応策を準備して参りました。GDPRやCCPAなどの公的規制を受ける形で、ブラウザやOSを提供するプラットフォーマーによるデジタル識別子規制が開始され、その範囲は2020年代に入り徐々に拡大しています。結果として、2021年には約半数以上のブラウザでサードパーティクッキーが規制を受け、またモバイルOSにおいても、iOSではアプリ広告識別子(IDFA)が規制の対象となり、これらのブラウザやOSではデジタル識別子を用いた広告配信や測定が難しくなりました。
この状況に対して、早くから対応策を準備してきたニールセンは、デジタル識別子のみに依存しない新たな計測手法を確立し、2021年1月より新方式のDARとして提供を開始しました。この新しいメソドロジーにおける主要なパートは、機械学習(AI)が担っています。ニールセンは早くから調査手法の一環としてAIに着目し、開発をおこない、実践して参りました。ニールセンの機械学習は、ニールセンの業界標準のデジタルパネルデータや、DARが過去に測定した1400億件以上の計測データという正確な教師データを基盤にしています。また、メディア測定のパイオニアとして、80年にわたって構築してきたオーディエンス測定のノウハウを、機械学習のアルゴリズムのモデルに適用しています。その優位性が評価され、2017年には「ニールセンAI」はアメリカの技術表彰のひとつである「THE OSCARS OF INNOVATION R&D 100」において、2017年度における最も重要な技術製品としての表彰を受け、その後も継続して性能向上のための開発に投資してきました。
しかし、デジタル識別子規制が益々進行し、2023年末に予定されているGoogle Chromeのサードパーティクッキーへのサポート停止を鑑みると、クッキーなどのデジタル識別子に一部依存している機械学習だけでは、持続的な「人」ベースのリーチ測定を行うことはできません。ニールセンはこの状況を当初より想定しており、持続可能性の高いメソドロジーの開発と準備に着手しておりました。
ニールセンは、クッキーなどのデジタル識別子に依存する方法に代わるものとして、大規模IDソリューションの構築を進めてきました。グローバル並びにローカルにおいて、サードパーティーのIDパートナーと提携を通じて、既に世界で20億件、日本国内だけでも7000万件以上のID情報を確保しています。日本国内の7000万件のIDの性年齢情報は、カリブレーションパートナーとして提携している数百万人規模の確定的属性情報を持つパネルパートナーの情報との照合と、7000万IDへの拡張において、90%以上の正確性があることを確認しています。このニールセンIDシステムは、各プライバシー規制を十分に配慮したものであり、クッキーや広告IDなどのデジタル識別子と、今後主流になると思われるユニバーサルIDや非デジタル識別子情報などと、DARのレポートに使用する性年齢の属性情報が一体となったID情報データベースです。ID情報は、常にIDパートナーにより更新されることで、デジタル識別子を含む情報の陳腐化を防いでいます。この膨大なID情報と、タグが取得してくるデジタル識別子やコンテキスト情報とを組み合わせます。コンテキスト情報の組み合わせに際しては、更に進化したニールセンのAI技術が活用され、広告が掲載された時間や場所に基づき、最も可能性の高い仮の性年齢情報を高い精度で付与します。これらの数多くのID情報項目で一致する候補を探し、その中で最も一致率の高かったIDに紐づく性年齢属性をAIが総合判定し、インプレッションに対する属性情報として最終的に確定付与します。したがって、デジタル識別子が一切取得できなくなる将来においても属性情報の割当とユニークの特定が可能になっています。このニールセンIDシステムを活用したDARを、日本では2022年4月から提供開始いたします。また、ニールセンはこの確率的手法に基づくメソドロジーを強化するために、IDパートナーの拡大を世界並びに国内においても引き続き進めて参ります。
持続可能性の高い「人」ベースのデジタルリーチ測定の提供
2023年末には、Google Chromeにおいてもサードパーティクッキーのサポートが停止され、ほぼ完全にデジタル識別子が利用できなくなる時代が到来します。ニールセンのDARの新メソドロジーでは、引き続き利用できるデジタル識別子も利用して属性判定を行っていますが、この過程においても機械学習が行われています。測定されたインプレッションに対して、AIが総合判定して付与した属性情報は記録され、次の機械学習に活かせれます。この繰り返しの学習資産により、完全にデジタル識別子が利用できなくなる時代においても、ユニバーサルID情報や非デジタル識別子情報とコンテキスト情報により、AIが最適解を見つけ出し、インプレッションに対する精度の高い性年齢情報を付与できるようになります。
ニールセンは常にデジタルエコシステムの変化に注目しています。現在のメソドロジーをベースに、状況に応じて改良を施し、また、あるいは全く新しい手法を開発することにより、持続可能性の高い「人」ベースのデジタルリーチ測定ソリューションの提供を継続して参ります。
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