INSIGHT
米国における OTT市場動向とコネクテッドテレビ視聴計測の意義
現代の消費者にとって、リビングルームは数えきれないほどの種類のメディアにアクセス可能な場所となっており、コネクテッドテレビデバイスは既にアメリカの総世帯の 3分の2 に普及している。コネクテッドテレビデバイスは、インターネットとつながっている「コネクテッド」消費者を象徴することから、マーケティングを実践する企業にとって「コネクテッド」オーディエンスの実態をより具体的に把握した上で効果的なキャンペーンを実施し、ブランドとのつながりを築くことの重要性がさらに高まっている。今回公開する動画では、ニールセンのプロダクトリーダーシップ デジタル部門担当SVP、Amanda Tarpey (アマンダ・ターピー)がコネクテッドテレビの利用拡大に伴う OTT市場の成長、さらにはコネクテッドテレビ視聴者数の計測を通じてオーディエンスの把握や価値化を支援するニールセンの取り組みについて語っている。 動画(英語)を視聴
INDUSTRY NEWS
Variety (エンターテインメント業界誌) 2018年テレビアップフロント、米 国P&G の広告宣伝予算を獲得するためには? 毎年アップフロントが開催される春、メディア企業の役員はアメリカの消費財メーカー、P&Gの莫大な広告宣伝予算を獲得する方法について頭を悩ませるのが恒例となっている。
悩みを解決するのにはオーラルケア製品のCrest、紙おむつブランドのPampersや洗濯用洗剤のTideなど、スーパーマーケットで定番となっているヒット製品を製造するP&GのMarc Pritchard (マーク・プリチャード)の意見に耳を傾ける必要があるだろう。Prichard氏は長年、広告宣伝やプロモーション予算の配分に厳しく目を配ってきた。世界有数の消費財メーカーのCBO (最高ブランド責任者)として、同氏は広告宣伝費に対する監視・監督をパワーアップしている。具体的な例を挙げると、同社はオーディエンス指標の正確性に関する問題を露呈したデジタルメディアの広告予算と出稿量を削減、ビールの広告に依存しがちなスーパーボウルではひねりの効いたTide のテレビコマーシャルを掲載、さらには同社の影響力を駆使して複数の広告エージェンシーに対し、新たな協業方法を実施させている。
今年の春、Pritchard 氏の意思決定に最も影響されるのはテレビ業界だろう。
本誌は1982年からP&Gで手腕を発揮している同氏に対し、インタビューを実施。インタビューではプライムタイムのコマーシャル枠を削減するテレビネットワークの取り組みへの見解、そして秋から開始する新テレビシーズンの番組がよりダイバーシティを反映する必要性について語ってもらった。
本誌: NBCとFoxは一部で、プライムタイムの広告枠を削減すると発表しました。P&GはTide やCrest などの主力製品の売上を促進するために、長年に渡って大量のインプレッション数を求めてきたと思うのですが、プライムタイムの広告枠が少なくなることはインプレッション数の確保という点で問題となるのでしょうか?
Prichard 氏: ご指摘の点については昨年くらいから、本腰を入れて対応を始めています。マスマーケティングを変革する必要があるという私の持論について、聞き及んでいるかと思います。John Wannamaker (ジョン・ワナメーカー)の名言をご存知ですか?広告宣伝費の半分は金の無駄だ、問題はどの半分が無駄になっているかだ、という。
当社ではより高度なデータやアナリティクスにより、より正確にマスリーチを獲得する手法について理解を深めています。というのもテレビ、デジタル、全メディアにおいて長年、最も問題視されているのが広告フリクエンシー、つまり広告が多過ぎる、という点。テレビネットワークが広告枠を削減することでより質の高い視聴体験を提供しようとする試みは、当然の流れだと思います。この点に関しても当社では取り組みを進めており、当社の日用品、家庭用品やパーソナルケア製品に関して言えば、認知を獲得するには高いフリクエンシーは不要です。認知科学にもとづく手法を採用することで、Bountyは「quicker-picker-upper」(さっと吸収するキッチンペーパー)であること、そしてTideは「if it’s gotta be clean, it’s gotta be Tide」(洗濯物をきれいにするのは Tideだけ)と覚えてもらうには、高いフリクエンシーは必要ないことが明らかになりました。広告全般の平均フリクエンシー3回に対し、当社の広告フリクエンシーは10回、場合によっては 20回となっています。そのため、余計なフリクエンシーの削減を進めているところです。 もっと見る
アメリカの大手テレビネットワークCBSの最高経営責任者(CEO)、Les Moonves (レス・ムーンヴェス)は11月3日午後(現地時間)に行われた同社の投資家向け収支報告の際に、2017年のアップフロント交渉でニールセンのTotal Audience Measurementが重要な役割を果たすことを期待するコメントを出した。「トータルオーディエンス視聴率は、CBS が放送する番組がリーチする視聴者数に対する正当な対価を得るための重要なステップとなる。視聴習慣の変化を踏まえ、今後は大きな対価が期待できるだろう。」 もっと見る
Deadline (最新エンターテインメント業界ニュース) 米CBSとニールセンは、テレビCMをより効果的かつ関連的なものにするため、ビッドAでライブ放送にダイナミック広告挿入を発表する予定
アメリカ最大のテレビ・ラジオネットワークであるCBSとニールセンは5月14日、視聴者のテレビCMへの関連性を高め、関心を引くために、全国テレビ放送のライブ放送にダイナミック広告挿入(DAI)を導入する計画について協力していると述べた。CBS Corp. の社長兼 Chief Advertising Revenue Officer (最高広告売上責任者)、Jo Ann Ross (ジョー・アン・ロス)は「CBS はニールセンのデータや視聴計測を最も進歩的な方法で利用することで、テレビの価値を証明してきました。新たな取り組みとして、ニールセンと共同で全国のリアルタイムテレビ放送にターゲティング可能なダイナミック広告挿入を導入し、年齢・性別に依存しているオーディエンスのセグメンテーションを進化させていきます。これにより、視聴者にとってより関連性の高い広告エクスペリエンスが生まれ、広告主にとってより良い結果がもたらされます」とコメント。ニールセンのナショナルクライアントソリューションズ担当 EVP 兼マネージング・ディレクター、Peter Bradbury (ピーター・ブラッドベリー)は「テレビのデジタル化に伴い、顧客にテレビ広告の価値を高める独自のケイパビリティを提供する上で、ニールセンはイノベーションの先駆者であり続けます。ニールセンは Gracenoteの買収により取得した特許とテクノロジーを利用してより高度なテレビ広告ケイパビリティを広告主に提供していきます」とコメント。 もっと見る
Ad Age (アドバタイジング・エイジ誌) 米IAB 発表: 2017年、米のデジタル広告費は9兆7000億円 アメリカのインタラクティブ広告業界団体のInteractive Advertising Bureau (略称 IAB)は5月10日、PwCが作成した同団体のレポートを発表した。発表によると、アメリカにおける2017年のデジタル広告費は 9兆7000億円(880億ドル)となり、対前年比21%増で昨年に引き続き新記録を達成した。
内訳を見ると、予想通りモバイルが総デジタル広告費の57%に相当する5兆5000億円(500億ドル)を獲得、前年の4兆260億円(366億ドル)から上昇した。
総括すると、レポートはおおよそ期待通りの内容だった。IABの第9回レポートで覚えておくべき重要なポイントは、以下の通り。
同レポートによると、2017年のモバイル動画広告費は 7370億円(67億ドル)、対前年比54% 増となり、初めてデスクトップ動画広告費5720億円(52億ドル)を上回った。IAB によると、動画広告フォーマット全体では前年から33%増、広告費は1兆3090億円(119億ドル)。
ソーシャル広告も引き続き上昇傾向にあり、5年連続で二桁成長を記録。前年から36%増加して 2兆4400億円(222億ドル)となった。
検索連動広告は依然として主流だが、総デジタル広告費に占める割合は過去を下回った。同広告費は4兆4700億円(406億ドル)、2016年の3兆8000億円(346億ドル)から18% 増加、主なデバイスは構成比54%を占めるモバイル。しかしながら総デジタル広告費に占める割合の 46%は、2016年の48% からダウンした。
昨年初めて広告費1100億円(10億ドル)を突破し、アニュアルレポートに追加されたデジタルオーディオ広告は対前年比39%増の1760億円(16億ドル)を記録、内モバイルが77%を占めた。5月10日に行われた発表にて、IAB は「スマートスピーカーの急増を受け、デジタルオーディオ広告は2018年度の成長カテゴリーと位置付けられるだろう」とコメント。 もっと見る
MediaPost (広告メディア専門ニュースサイト) ストリーミング配信利用が増加、ニュースコンテンツ視聴で顕著 生活者がストリーミングを行うコンテンツの種類、さらにはストリーミングプラットフォームの数は進化し続けている。大方の生活者にとって、ニュースの視聴場所は家庭のリビングルームだった。ニールセンの新たな調査によると、今や動画ストリーミング利用者の51%がローカルニュースをストリーミング視聴している。さらには調査対象者の51% が過去にモバイルデバイス用アプリを利用してローカルニュースにアクセスしていると回答、過去1か月だけでも43%がアプリを利用してローカルラジオやウェブラジオにアクセスしている。これらのデータはローカル情報の提供拡大に取り組んでいるFacebookなど、大手SNSにとっては追い風となる。 もっと見る
Research Live (最新マーケットリサーチ情報・ニュース) 米国におけるストリーミングコンテンツ視聴者、依然として従来のテレビ放送を好む傾向 動画ストリーミングの利用が急激に増加する反面、ニールセンの 2017年第4四半期(10-12月期) Local Watch Report によると、ストリーミングコンテンツ視聴者層の93%は従来のテレビ放送も視聴している。 25歳から54歳までの典型的なストリーミングコンテンツ視聴者の1日当たりのインターネット経由OTT コンテンツの視聴時間は2時間28分。対してストリーミングコンテンツ視聴者層の平均的な 1日の視聴行動を見ると47%は従来のテレビ放送のみ視聴、46%はストリーミングとテレビ放送の両方を視聴、そしてストリーミングコンテンツのみの視聴はわずか7%。 もっと見る
MediaPost (広告メディア専門ニュースサイト) ニールセン、ローカルテレビ視聴計測にタイムシフト視聴計測指標を追加 ニールセンは従来の標準的なリアルタイム番組視聴率に加え、ローカルテレビ局に対して新たにリアルタイム視聴計測に番組放送翌日のタイムシフト視聴計測を加えた指標の提供を開始する。 もっと見る
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