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2017年10月2日、9日合併号  

HIGHLIGHT

AdWeek (アド・ウィーク誌) 

問題山積みにも関わらず、デジタル広告投資が減らない理由
デジタル広告詐欺やブランドセーフティに関する問題は未解決

昨年開催された Advertising Week 2016 では、デジタル広告業界における問題が脚光を浴びた。Facebook の動画指標問題に端を発し、次に YouTube 広告におけるブランドセーフティが問題視され、Procter & Gamble でマーケティングのトップを務める Marc Pritchard (マーク・プリチャード)は自らの在任中に問題解決が行われるべき、訴えた。プラットフォームは難を逃れるために内向きとなり、最近になってやっと疑わしい指標、ブランドセーフティ、ボット詐欺、不正が疑われる請求やウォールドデータなどの問題対応を始めている。

9月25日から29日に開催された Advertising Week 2017 では、昨今の不穏なムードを受けて多くの関係者が右肩上がりのデジタル広告費が横ばいになることを想定したと思う。しかしいざ蓋を開けてみると、現実は全く違っていた。9月25日に発表された eMarketer の統計データによると、2017年のデジタル広告費は 15.9% 増となり、830億ドル規模となった。

アメリカの PR とアーンドメディアのソフトウェア企業、Cision のグローバル CEO、Kevin Akeroyd (ケビン・エイクロイド)は「ビッグブランドは急にデジタル広告を大々的に止める訳にはいかないだろう」とコメント。長年、マーケティングテクノロジーを手掛けてきた Akeroyd 氏は昨年 Cision のトップに着任する以前、数々の買収を通じて Oracle のマーケティングクラウドを構築した手腕で知られている。

同氏は「広告主企業は 10年間行ってきたデジタル投資から手を引くことはできないだろう。その理由は PL(損益計算書)への影響だ。「予算から効果のない広告費を削減したので、一株当たり利益を達成できませんでした」、という言い訳はできないからだ。ウォールストリートもそれを許さないだろう」と語った。

さらにニューヨークを拠点とする eMarketer も最近、2017年から2021年にかけてのコードカッター数見込みを上方修正した。同社の予測によると、2021年にはコードカッター人口は現在のほぼ倍になり(2017年の 2,220万人から 2021年の 4,010万人)、「コードネバー」(cord-nevers、有料ケーブルや衛星放送に加入したことがない視聴者)人口と同レベルに達する。

アメリカのデータ&テクノロジー企業、Integral Ad Science の社長兼 CEO、Scott Knoll (スコット・ノール)は「広告主は、最終的に消費者が存在する場所にいなければならない。我々は社会の一員として、デジタルを介した広告の正しい姿を模索し、決定しなければならない。Mark Prichard 氏の発言が取沙汰されているが、同じ主張をしている人は多く存在する」とコメント。

デジタル広告は理想とする姿にはなっていないものの、投資は膨れ上がっている。本紙は複数のブランドのマーケティング担当者と接触、第4四半期(10-12月期)のデジタル広告予算の対前年比を問い合わせたが、回答を得られなかった。代わりに複数の広告代理店に対し、担当クライアントのデジタル予算傾向を問い合わせた。

「第4四半期はデジタル広告予算を増やす予定。ブランドセーフティや広告詐欺に関する懸念はあるものの、予算設定やクライアントの計画には全く影響を及ぼしていない」と 統合デジタルマーケティングエージェンシー Wpromote CEO、Michael Mothner (マイケル・モスナー)はコメント。

「デジタルエコシステムやサプライチェーンにおける問題は解決していないが、(担当している)ブランドは投資を増やしており、最低でも現状維持というレベル。全ての関係者にとってやるべき事は山積みだが、デジタル出稿の落とし穴の理解が進んでいること、さらには詐欺やブランドセーフティなどの問題に精通し始めたブランドが増えているため、デジタル広告予算は増加している。自らが設定するマーケティングパフォーマンス基準を満たすために何をしたらよいのか、理解しているクライアントが増えている」と デジタルマーケティングエージェンシー iCrossing メディアサービス担当社長、Mike Racic (マイク・ラシック)はコメントした。

この傾向はサーチやソーシャルマーケティング以外でも見受けられる。CTP のメディアプランナー、Justin Warshavsky (ジャスティン・ウォーショブスキー)は昨日、主要クライアントである非営利団体にとってはプログラマティック広告が効いており、Facebook や Amazon などの他のデジタルメディアチャネルよりも効果的だと語った上で、プログラマティック広告予算は無くならないだろうとコメントした。

対して広告主企業の CMO (最高マーケティング責任者)は ROI を改善(効果のないオンライン広告の削減)しながら売上を伸ばすことに注力しており、この動向は今後数か月注目する価値があるだろう。

Cision の Akeroyd 氏は「今後、デジタル広告の責任が問われ、よりアカウンタビリティが求められるだろう。この動きに伴いデジタル広告費は若干圧縮されることが予測され、(ブランドは)その穴埋めとしてよりアーンドメディアに重きを置くようになる」とコメントした。


THOUGHT LEADERSHIP

厳しい状況に直面する広告代理店、差別化の鍵はデータプロフィシェンシーとストーリーテリング

ニールセン ニールセンエージェンシーソリューションズ担当マネージングディレクターDavid Hohman (デイビッド・ホーマン)寄稿記事

今日、多くの業界においては世界規模で成長が鈍化している。さらには経済・政治不安を理由に多くの企業が広告・マーケティング予算を削減しており、広告代理店はさらに厳しい状況に直面している。

厳しさを増すマクロ経済状況に加え、広告業界においては統合、さらには業界外からの新たなプレイヤーの参入により、競争が激化している。このような状況下、広告代理店が生き残るためには同業他社との差別化が必須となる。差別化の鍵となるのはクリエイティブとストーリーテリング、そしてデータへの真剣なコミットメントやプロフィシェンシー(熟練)だ。

広告代理店に最も求められることは、クライアントのニーズに最新の方法で応えること。2017年現在、その方法とは買い手市場のターゲティングへのシフトを意味する。オーディエンスバイイングにおいて、広告主は行動ターゲットで媒体を購入したいと考え、媒体社は広告主の求める方法で広告枠やメニューを販売したいという変化が加速している。そして差別化のポイントとなるデータは、多くの場合、ニールセンのデータを核として構築されている。なぜなら業界最大手の広告代理店が所有する独自プラットフォームにおいて、ニールセンのデータは結合組織として機能しているからだ。

広告代理店のマージンがさらにひっ迫する中、各代理店独自のテクノロジー関連費用は増々クライアントからの売上に依存することが予測されるが、クライアント企業の多くはゼロベースの予算や広告費削減に踏み切っている。結果として、質の高いサードパーティデータや既存のソリューションパッケージの利用価値はさらに高まるだろう。データ企業やクラウド企業にとっても、広告代理店のサービスを補完することで新たなビジネスチャンスが生まれる。

幸い、これらのハードルに対するソリューションは存在する。広告代理店はニールセンデータ(テレビ、ラジオ取引指標)、ニールセン トータルオーディエンス(Nielsen Total Audience)フレームワークやソフトウェアソリューションを活用してリニア、デジタル両方のプラットフォームで広告キャンペーンを検索、計画、アクティベーションすることが可能だ。また、ニールセンは広告代理店と協業して広告代理店用に新規ビジネス開発向け短期特別ライセンスを提供している他、広告代理店の顧客である広告主や新規取引候補のニーズに応えるソリューションを共同で開発している。

 


INDUSTRY NEWS

Ad Age (アドバタイジング・エイジ誌)   
米NBCU、高視聴率番組への Facebook と同様のセルフサーブ型広告の販売を開始
アメリカの大手エンターテインメントグループ、NBC Universal は同社のテレビ広告とデジタル広告の境界線をなくそうとしている。同社が全国放送する高視聴率番組中に流れる自動配信テレビ広告を販売することで、同社のテレビ広告はソーシャルメディアで流れる広告よりも効果的であることを証明することが狙い。同テレビ広告と最初に契約したのはアメリカ有数の小売り企業、Target。Target は自社の顧客データを利用して Sy-Fy や E!、NBC を含む複数の NBCU ネットワークの広告枠を購入する。 もっと見る

 

アメリカの大手テレビネットワークCBSの最高経営責任者(CEO)、Les Moonves (レス・ムーンヴェス)は11月3日午後(現地時間)に行われた同社の投資家向け収支報告の際に、2017年のアップフロント交渉でニールセンのTotal Audience Measurementが重要な役割を果たすことを期待するコメントを出した。「トータルオーディエンス視聴率は、CBS が放送する番組がリーチする視聴者数に対する正当な対価を得るための重要なステップとなる。視聴習慣の変化を踏まえ、今後は大きな対価が期待できるだろう。」  もっと見る

AW360 (Advertising Week 監修ソートリーダーシップコンテンツ)  
「メディア計測の未来を左右するのはフレキシビリティ」

 
様々な方法でコンテンツに接触している。そして接触するコンテンツの量も増加傾向にある。これはコンテンツクリエイターや広告主企業にとっては良いニュースだが、消費者が利用可能なデバイスの数やアクセス可能なコンテンツの量は、新たなデバイスやコンテンツに注目する消費者とのエンゲージメントを獲得したい企業のマーケティング部門にとっては多くの課題をもたらしている。 もっと見る



Streaming Media (オンライン動画・動画配信業界情報・ニュース)   
ニールセンデータ:女性比率の高いHulu、対して男性比率の高いYouTube
 
動画配信において男女差はあるのだろうか?ニールセン ストリーミングメーター(Nielsen Streaming Meter)の初期計測結果によると、性別差は存在する。ニールセン ストリーミングメーターとは世帯におけるストリーミングコンテンツを計測するニールセンの最新手法で、現在アメリカでインターネット接続デバイスを利用する 1,000世帯に設置されている。 もっと見る


Ad News (広告・メディア・テクノロジー最新ニュース)   
クロスプラットフォーム計測:ケイパビリティに業界スタンダードが追いつかない現状
 
デジタル動画とテレビをまたぎ、直接比較を可能にするクロスプラットフォーム計測のケイパビリティは既に存在する。そこで問題となるのが、何をもって「成功」とするかの定義だ。AdNews はニールセンのウォッチ部門担当グローバル社長、Megan Clarken (ミーガン・クラーケン)と製品担当グローバル SVP、Jessica Hogue (ジェシカ・ホーグ)へのインタビューを実施、クロスプラットフォーム計測で進歩がみられるアメリカの状況について質問した。 もっと見る



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