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2017年7月31日、8月7日日合併号  

HIGHLIGHTS

媒体取引通貨(カレンシー)の現状と今後

C3、C7 (放送日から3日間/7日間のライブ視聴と録画視聴を合計したテレビコマーシャル時間帯視聴率)が媒体取引通貨としてアメリカの主要媒体取引関係者によって採用されてから、早 10年が経過した。視聴習慣の変化や進行する媒体の細分化を踏まえ、メディア業界は現状を反映した新たな取引通貨を定める方向に向かっている。動画ではニールセンの COO 兼グローバルプレジデント、 Steve Hasker (スティーブ・ハスカー)がアメリカの媒体社や広告主企業が現在の媒体取引通貨に合意した経緯に加え、今後メディア業界が取引通貨を進化させる上で留意すべき点を語っている。 動画(英語)を視聴


THE WALLSTREET JOURNAL
ニールセン、テレビ視聴率に YouTube と Hulu の視聴を反映
デジタルメディア接触の増加をテレビ視聴計測指標に反映

ニールセンは Hulu と YouTube が提供する新たなテレビ番組配信サービスの視聴計測を開始したと発表、計測データは今後、同社のテレビ視聴率に反映される。デジタル視聴の増加を受け、同社のテレビ視聴計測基準を進化させることが狙い。

現在、テレビネットワークが広告主と取引する上で使用している標準視聴率指標は C3 と C7(放送日から3日間/7日間のライブ視聴と録画視聴を合計したテレビコマーシャル時間帯視聴率)。

C3 と C7 には今後、Hulu と YouTube が提供するスキニーバンドル(視聴できる番組数を減らして安く提供するプラン)に含まれる番組のデスクトップ PC やモバイルデバイスでの視聴が含まれる。

既にニールセンのテレビ視聴率には Sling TV やソニーのクラウドテレビサービス PlayStation Vue、さらには CBS All Access などのテレビアプリを介したデジタル視聴が含まれている。

ニールセンのプロダクトリーダーシップ担当プレジデント、Megan Clarken (メーガン・クラーケン)は「Hulu やYouTube など、主なデジタル配信プラットフォームがテレビ視聴率に統合されるのは今回が初めて。3年前に開発をスタートしたが、以来ライブストリーミングを配信するプラットフォームの数は増加傾向にある」とコメント。

ニールセンのテレビ視聴率に反映されるのは Hulu と YouTube で、テレビのリアルタイム放送で流れるコマーシャルと同じものが流れる配信番組のみが対象となる。

同社のテレビ視聴率は、数万単位の世帯パネルから収集されたデータに基づいて計算されている。ニールセンがモバイルデバイスでの視聴を計測するためには、新たなテクノロジーやコンテンツプロバイダーやディストリビューターとの提携が必要となった。

複数のデバイスやストリーミングプラットフォームのオーディエンス数を計測するために、ニールセンは媒体社やストリーミングプラットフォームに対し、デバイスをまたぐ視聴データをレポートするソフトウェアのインストールを要請した。

クラーケン氏は「過去 3年、トータルオーディエンスフレームワークの開発を進めてきたが、開発プロセスはプラットフォームの構築とソフトウェアの配布が中心だった」と語った。

テレビ視聴率はテレビネットワークが販売する広告枠の通貨となることから、視聴率のアップデートはネットワークにとって極めて重要となる。今回アップグレードされたニールセンのテレビ視聴率には、テレビのリアルタイム放送で流れる広告とは異なる広告が流れる番組のデジタルやオンデマンド視聴は反映されていない。ニールセンはテレビとデジタル視聴をより包括的に計測する「トータルオーディエンス」指標を提供することで、この不足を補っている。

クラーケン氏によると、従来の C3 や C7 とは異なり、ニールセンのトータルオーディエンス製品は「広告枠の取引」には使用されていない。しかしながら、テレビネットワークはトータルオーディエンスの視聴データを用いてより正確なオーディエンスサイズを公表することが可能になり、広告主企業は同製品の指標を用いてより緻密な広告配分を計画することができるだろう。

Google は YouTube TV を数か月前に発表、月額 35ドルで 50以上のライブチャンネルを視聴できることを売りとしている。Hulu は 2008年にオンデマンドストリーミング配信プラットフォームの先駆けとしてスタート、最近主要ネットワークの番組配信を含む新ライブテレビ番組配信サービスを発表したばかり。



INDUSTRY NEWS

Beet.TV (Video) (インタビュー動画サイト)    
見過ごされていたオーディエンスを価値化する家庭外視聴計測指標:ニールセン SVP、米Turnerとの契約について語る
空港やレストラン、職場で視聴される番組を放送するテレビネットワークにとって、ニールセンの家庭外視聴計測がもたらすリフト効果は大きな意味を持つ。従来のテレビ視聴率には含まれない家庭外オーディエンスが計測されることで、ネットワークのオーディエンス数が増加するからだ。アメリカの総合メディア企業、Time Warner が所有するニュース専門チャンネル CNN や同社傘下の TBS のスポーツ放送部門、Turner Sports は今週、全米上位 44 DMA (Designated Market Area)在住の 77,000人から成るパネルを利用するニールセンの家庭外視聴計測サービスを正式に採用した。ニールセンのプロダクトリーダーシップ担当 SVP、Kelly Abcarian (ケリー・アブキャリアン)は Beet TV とのインタビュー(動画参照)にて、同社の家庭外視聴計測サービスについて「業界全体が既存のテレビ視聴率に組み込まれていなかったオーディエンスを価値化する動きに貢献する」とコメントした。 動画(英語)を視聴


アメリカの大手テレビネットワークCBSの最高経営責任者(CEO)、Les Moonves (レス・ムーンヴェス)は11月3日午後(現地時間)に行われた同社の投資家向け収支報告の際に、2017年のアップフロント交渉でニールセンのTotal Audience Measurementが重要な役割を果たすことを期待するコメントを出した。「トータルオーディエンス視聴率は、CBS が放送する番組がリーチする視聴者数に対する正当な対価を得るための重要なステップとなる。視聴習慣の変化を踏まえ、今後は大きな対価が期待できるだろう。」  もっと見る

AdExchanger (データ志向マーケティング情報・ニュースサイト)  
消費財や放送ネットワーク企業を続々と獲得、勢いに乗るニールセンマーケティングクラウド

 
ニールセンマーケティングクラウドの EVP、Damian Garbaccio (デーミアン・ガルバッチョ)は「統合されたニールセン計測サービス、そしてマーケティングテクノロジーを駆使したタグを導入することで、全製品サービスが連携する環境の構築を目標としている」とコメント。統合の実現には半年から 1年はかかることが見込まれるが、ガルバッチョ氏は手ごたえを感じている。「これらのデータや計測製品は、顧客の業務上の使い勝手という視点でも重要となる。具体的にはユニバーサルタグと常時計測の導入によってインプレッションレベルのデータが収集され、顧客がマルチタッチアトリビューションの実施や DAR (Digital Ad Ratings)で分析する際、リアルタイムに情報にアクセスできるようになること」。 もっと見る



TechCrunch (IT系スタートアップ・ウェブニュースサイト)   
米YouTube TV、米国内で新たに10市場にサービス展開、市場数は当初の3 倍に
 
7月 20日木曜日、Google は競争の激しいライブテレビ番組ストリーミングサービスに参入したYouTube TV を新たにアメリカの10都市に展開すると発表した。YouTube TVの差別化ポイントは、主要放送局のライブテレビ番組を視聴できること。全国展開をしない代わりに、サービスを提供する市場で放送されているチャンネルの番組を確実に配信するというのがGoogle の戦略だ。 もっと見る


Bloomberg (経済情報・金融ニュース)   
米におけるオンラインテレビ、成長がケーブル加入者減に追いつかず
 
アメリカにおけるオンラインテレビ市場は過去数年で加入者ゼロから300万人近くにまで成長、しかしながらオンラインテレビの加入者増は減少著しいコードカッター人口を補うまでに至っていない。インターネット経由で配信されるライブ番組のスキニーバンドルの普及は有料ケーブル放送の出血を止める特効薬とはなっておらず、パッチにしか過ぎないようだ。2010年以降、約 600万人が有料ケーブル・衛星放送契約を解除しているが、オンラインテレビサービスの新規加入者数は前述の解約者数を下回っており、支払っている定額料金も有料放送よりも低くなっている。 もっと見る


Adweek (アドウィーク誌) 
サードパーティ計測が強化された米Snapchatの新MMM対応計測プログラム   
 
Snapchat は 8月1日、マーケティングミックスモデリング(MMM)に対応する計測プログラムを実装した。Snapchat を運営するSnapは既に15社を計測パートナーとして採用、パートナー企業を通じて同社のアプリのインプレッション数、リーチ、ターゲティングやビューアビリティ指標を計測している。MMM 対応計測プログラムでは新たに ニールセン、Neustar Marketshare、Analytics Partners、Marketing Management Analytics の 4社と提携、同プログラムを通じてSnapchat 広告を大手ブランドに販売すること、さらには広告主の広告キャンペーンをサードパーティ計測に紐づけることでキャンペーン成果の計測を狙っている。また、テレビや紙媒体、OOHなどを含む広告主のメディアミックスを集計、それぞれのメディアに掲載された広告の販売貢献を評価するMMM計測サービスを提供する Facebook、Google や Twitter への対抗策として活用する。


Ad Age (アドバタイジング・エイジ誌)
米Google、パブリッシャーに新YouTube広告取引を提示  
 
オンライン動画の拡大を積極的に進めているYouTubeはパブリッシャーとの契約獲得に向けて、YouTube の広告在庫管理をよりパブリッシャーに委ねる取引を提示している。本件に通じている情報筋によると、バックエンドの動画プレイヤーとしてYouTubeを選択する主要パブリッシャーは、今後 YouTubeサイトやパブリッシャーのサイトに掲載される広告の販売管理を行えるようになる。またYouTubeは自らの動画プレイヤーとサービスを無料で提供する模様。 もっと見る



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