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  2016年10月10日・10月17日・10月24合併号
   

THOUGHT LEADERSHIP

  

全世界で拡大傾向のモバイルショッピング、利用拡大の鍵はモバイル体験の最適化

場所を問わない通信の手段として普及したモバイルデバイスは、全世界の生活者に様々なベネフィットをもたらす、生活に欠かせない道具へと進化を遂げた。これを裏付けるのはニールセンが全世界の消費者を対象に実施した調査データで、全世界の調査対象者の74%はモバイルデバイスがもたらす「いつでも、どこでもつながることができる自由」を評価しており、70% (トップ2ボックス、「非常にそう思う」+「ややそう思う」)が「モバイルデバイスによって生活が向上した」と感じている。いつでも、どこでもつながることを可能にするデバイスは生活者同志のコミュニケーションを変え、買物や預貯金、さらには商品やサービスに対する支払方法にまで影響を及ぼしている。

モバイルデバイスを利用した商品情報の検索、クーポンやお得情報の収集や世界中の店から欲しい商品やサービスを購入するなど、モバイル中心の生活習慣の普及・拡大は商業の世界にも変化をもたらしている。銀行や支払サービス業においても預貯金や支払の方法が多様化しており、全世界に20億人存在する非銀行利用者(銀行で口座を開設できない層)に対して金融サービスへのアクセスという恩恵をもたらしている。

ニールセンヨーロッパの金融サービス担当リーダー、Stuart Tagg (スチュアート・タグ)は「モバイルコマースは小売エコシステムに対し、多大な影響を及ぼしている。モバイルデバイスは新たな消費者の流入に加え、消費者の行動、ニーズや好みに基づいた、よりカスタマイズされた体験をもたらしている、ということが重要なポイント。今後普及や利用をさらに拡大するには、デジタルの世界で消費者がどのように買物や支払いを行っているのか、企業側が理解を深める必要がある。そしてデジタルにおける消費者の買物実態の理解を踏まえ、消費者の習慣や好みを中心に据えた戦略を設計することが大事」、と述べている。

買物中のモバイルの利用方法について、全世界の調査対象者の半数以上が「値段を比較」(53%)、さらには「商品情報を見る」(52%)と回答。また 10人中 4人以上がモバイルデバイスを利用して「クーポンやお得情報を調べる」(44%)、「納得できる購入決定を行う」(42%)、「より速く、または効率的に買物をする」(41%)と答えている。

モバイルショッピングが最も普及している地域はアジアパシフィックで、調査対象となったモバイル買物行動の全スコアがグローバル平均を上回った。対して北米(30%)と欧州(27%)では、1/4 以上の調査対象者が調査対象の買物行動すべてに対し、モバイルデバイスを使用しないことが明らかになった。

消費者にとってモバイルデバイスは買物を「補助」する道具ではなく、買物を行うための道具となっている。全世界の調査対象者の38%が過去6か月にモバイルデバイス経由で何らかの買物をしたと回答、また34%が過去6か月にモバイルアプリ経由で何らかの買物をしている。モバイル買物率が最も高かったアジアパシフィック地域を見ると、過去6か月にモバイルデバイス経由で何らかの買物をしたと回答した調査対象者は中国では半数(50%)にのぼり、次いでインド(49%)、韓国(47%)、ベトナム(46%)。モバイルアプリ経由の買物についても同様で、中国では50%、韓国では 48%、インドでは47%、ベトナムでは43%の調査対象者が過去6か月にモバイルアプリ経由で何らかの買物をした。

「企業のeコマース戦略の要となるのは、アプリやデスクトップPC向けウェブサイトのモバイル版におけるモバイル体験の最適化」、とニールセンヨーロッパの金融サービス担当リーダー、Stuart Tagg は語る。「利用者をがっかりさせるようなモバイル体験はコンバージョン率を低下させ、さらにはモバイル買物客を競合他社の実店舗やウェブサイト、アプリに送り出してしまう可能性がある。モバイル対応サービスを今後開発する小売業者は楽に買物ができること、便利であること、選択肢が多いこと、そして優れたバリューの提供という買物客の根本的なニーズに対応することが必須となる。モバイルソリューションは買物客が店舗を訪れる様々な理由に応え、時間や手間を省きながら強力なバリューフォーマネー(価格に対する値打ち感)を提供する必要がある。」

ニールセンは 2016年9月14日水曜日、2017年半ばまでにアメリカにおける全 210DMA(210の調査地域)に電子化テレビ視聴利率測定を導入すると発表しました。セットトップボックスから取得するRPD (リターンパスデータ)やその他電子測定手法を採用することでテレビ視聴測定を完全に電子化し、現在日記形式での視聴測定に頼っている140のテレビ市場を含む全市場におけるローカルテレビ視聴測定に導入します。RPDの採用に伴い、日記形式の視聴測定は2018年の早い時点で廃止されます。
ニールセン製品リーダーシップ担当社長、Megan Clarken (メーガン・クラーケン)は「RPD や電子測定手法の強みを活かし、ニールセンが提供するテレビ視聴率の測定パネルやメーターと統合することでローカルテレビ市場の顧客により優れたサービスを提供し、顧客が直面する課題の解決や将来的なトレンドの予測に貢献することが狙いです。今回発表されたサービス強化は、ローカルテレビ視聴率測定に継続的に投資することで現行の測定手法を全スクリーンやデバイスを網羅するクロスプラットフォーム形式での視聴測定へと進化させる、というニールセンのコミットメントの表明です」、と述べています。
ニールセンが提供する視聴率の根拠となるパネルデータを数百万単位の世帯から複数のプロバイダー経由で取得するRPD やその他電子測定データで補強することで、他の追随を許さないデータ粒度や安定性を確保し、新たに発掘されるマーケットインサイトを提供します。
顧客に対して安定性の高い視聴測定手法、個人レベルでの視聴データやローカル市場の完全なカバレッジを提供することで、ニールセンはローカルテレビ視聴測定サービスを進化させます。強化されたローカルテレビ視聴測定サービスを通じ、信頼性の高いオーディエンス推定データを顧客に提供することで個人レベルの視聴データに基づく広告枠のバイイングが可能となり、ローカルテレビオーディエンスに秘められた真の価値が明らかになります。完全電子化視聴測定サービスはニールセンがアメリカにおいて定める全 210 DMA 市場に導入し、視聴データは1年を通じて日、週、月単位で測定され、テレビ広告枠の取引に求められる信頼性の高い視聴データを提供します。

 

INDUSTRY NEWS 

 

 

Adexchanger (データドリブンマーケティング情報サイト)
ポッドキャスト:テレビ視聴率計測のニールセン、視聴計測指標を動画に拡大
 Adexchangerインタビューポッドキャスト第2弾のゲストはニールセンの米国メディア担当社長、Lynda Clarizio (リンダ・クラリツィオ)氏。インタビューで同氏は「ニールセンは長年に渡り、テレビ広告枠取引のベースとなるテレビ視聴率を提供してきました。視聴の幅の広がりに対応するべく、視聴計測指標の進化に現在取り組んでいます」、と語っている。 もっと見る(英文記事とポッドキャスト)


Beet TV (インタビュー動画サイト)
ニールセンがクロスプラットフォームオーディエンスデータを提供する理由

 
他の視聴計測企業への対抗を強めるべく、ニールセンは全プラットフォームをまたいだ視聴計測データを媒体社と広告主に提供する新製品を発表した。ニールセンのプロダクトリーダーシップ担当 SVP、Jessica Hogue (ジェシカ・ホーグ)へのインタビュー動画では、新製品発表の理由や狙いが明らかにされた。 もっと見る(英文記事と英語での動画インタビュー)

 

The New York Times (ニューヨーク・タイムズ紙)
オンライン動画視聴計測データ、問われるデータの信頼性 
 
媒体としてのオンライン動画の大きな「売り」の1つは、効果を正確に計測できる可能性が高いこと。正確性を欠く視聴率や調査経由でオーディエンス数が報告されるのではなく、実際に動画を視聴した人物を特定できること、さらには視聴時間をミリ秒単位で計測できること、というのが理由だ。実際に効果の正確な計測は大方実現されている、と言えるだろう。しかしながら競合関係にある各インターネットプラットフォームが主に自己申告ベースで報告する大量のデータそのものが問題視されている。本当に信頼できるデータはどこにあるのか。 もっと見る


MediaPost (広告メディア専門ニュースサイト)
ニールセン、日記形式のテレビ視聴計測をいよいよ廃止? 
 
ニールセンがアメリカにおける140 のローカルテレビ市場で日記形式の視聴計測を終了する予定、という最近のニュースは一部の関係者を安堵させたが、同時に21世紀において日記形式でのテレビ視聴調査が行われていたこと自体が信じられない、という反応も引き起こした。筆者にとって、このニュースは 10年以上前の出来事を思い出すきっかけとなった。それはニールセンが日記形式のテレビ視聴計測を2011年までに段階的に廃止する、という最初の発表だ。 もっと見る


All Access Music Group (ラジオ業界、音楽ニュースサイト)
ニールセンレポート – デジタルデバイスの利用に傾く米のヤングアダルト 
 
ニールセンの 2016年第2四半期(4-6月期) Comparable Metrics Report によると、アメリカで最も接触されているメディアは依然としてテレビであるものの、若い消費者層においてはデジタルデバイスの接触が増加傾向にある。18歳から 34歳までが接触するメディアの内訳(平均)を見ると、デジタルは 51% を占めている。 もっと見る


Reuters (ロイター通信) 
米Facebook、ビジネスソフト導入により価格戦争が勃発 
 
SNS最大手のFacebook は企業向けSNS となる新製品を発表した。「Workplace by Facebook」(ワークプレイス・バイ・フェイスブック)は企業内コミュニケーションや協業支援を目的とした製品で、同製品は急成長しているスタートアップ企業、Slackが提供するビジネス向けチャット「Slack」の直接競合となる。 もっと見る


Advertising Age (アドバタイジング・エイジ誌) 
米の2016年広告費、過去 6 年で最大の伸びを記録する見込み 
 
IPG Mediabrands のメディアサービスおよびマーケットリサーチ・コンサルティングエージェンシー、Magnaが発表したグローバル広告費予測によると、アメリカにおける 2016年の広告費は過去 6年で最高の伸びを記録する見込み。同エージェンシーは 10月 12日水曜日、アメリカにおける 2016年度広告費予測を上方修正、総広告費は 1790億ドルで6.5%の伸びという予測を発表した。 もっと見る

 

USA Today (USAトゥデイ紙) 
ニールセンレポート – 社会の変化やデジタルの進化を牽引するアフリカ系アメリカ人ミレニアル層  
 
ニールセンの最新レポート、「Young, Connected and Black: African-American Millennials are Driving Social Change and Leading Digital Advancement」(社会の変化やデジタルの進化を牽引するアフリカ系アメリカ人ミレニアル層の研究レポート)によると、アフリカ系アメリカ人ミレニアル層による貪欲なモバイルテクノロジーの利用は情報格差の是正につながっている。また同層はソーシャルメディアの利用を通じて、黒人コミュニティにおける問題への関心や認識の向上に努めている。ニールセンの米国戦略コミュニティアライアンス担当 SVP、Cheryl Grace (シェリル・グレイス)は「テクノロジーがイコライザーとして機能する時代が到来した。アフリカ系アメリカ人ミレニアル層はテクノロジーの利用を牽引することで社会における変化に影響を与え、自らの意見を世の中に発信している」、とコメント。 もっと見る


The Drum (マーケティング・メディア業界ニュースサイト)
強化されたニールセン Social TV Ratings、SNS における秋の新テレビ番組に対する視聴者の反応を計測
 
今年前半、ニールセンは同社のSocial Content RatingsにFacebook データの取り込みを開始した。現在、Social Content Ratingsはテレビ番組に関する Facebook とTwitter 上の会話を計測している。秋の新テレビ番組が続々とオンエアされた 9月19日から25日が過ぎ、同社は Facebook とTwitterで話題となったテレビ番組データや新番組に関する2つのSNSでの視聴者の反応の違いを表すデータをリリースした。 もっと見る

 

Adweek (アドウィーク誌) 
米 Google、モバイルビューワビリティを計測する新テクノロジーを導入
 
アメリカにおけるデジタル広告計測の業界標準を監視するMedia Rating Council (MRC)から一時停止処分を受けたGoogleは、モバイルビューワビリティ計測に同社のDouble Click for Publishers を使用する媒体社向けに新たな計測手段を徐々に展開している。 もっと見る

 

Reuters (ロイター通信) 
米Netflix、全世界で加入者数が増加、株価が 20% 上昇
 
定額制動画配信サービスの Netflix Inc は2016年度第3四半期(7-9月期)において、当初の見込を50%上回る加入者数を獲得した。「Stranger Things」などのオリジナルテレビ番組がアメリカ国外で新たな視聴者を獲得したこと、さらにアメリカ国内でも月額料金の値上げにもかかわらず加入者を維持できたことが主な理由。このニュースを受け、同社の株価は 20% 上昇した。もっと見る


Fortune (フォーチュン誌) 
米Google、テレビに進出 
 
Googleはアメリカ最大のテレビネットワーク CBS と契約を締結、今後CBS のテレビ放送を同社のウェブテレビサービスで配信する。またGoogle は 21st Century Fox や Viacom Inc. に対してもチャンネル配信の話を進めている。ある情報筋によると、YouTube プラットフォームの一環として提供されるウェブテレビサービスは2017年第1四半期(1-3月期)に配信開始予定で、NFL のライブ放送を含む CBS の全コンテンツが配信される。また同情報筋はスキニーバンドル(必要な番組だけ選ぶ)の月額料金は 30ドルから 40ドルとしている。  もっと見る


The Wall Street Journal (ウォールストリート・ジャーナル紙)
米Salesforce、マーケティングデータスタートアップ企業 Kruxの買収に合意 
 
Salesforce.com Inc. は同社のマーケティングデータやアナリティクス部門の強化を目的として、サンフランシスコを拠点とするクラウドベースのデータマネジメントスタートアップ企業、Kruxの買収に合意した。もっと見る



 
 
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